丸ごと承認

もうすっかり自信満々な子どもたちの元気な歌声が響いています。それはとても楽しそうです。それぞれの歌い方でいい、音が少々外れていてもいいのです。私も歌うことが大好きです。
 今から24年前、大学時代に男声合唱団で苦楽を共にした親友が亡くなりました。お葬式も終わり、いよいよ出棺の時でした。これまで何度も彼と一緒に歌った愛唱曲が、BGMで流れてきたのです。その瞬間、熱いものがこみ上げてきて、もう私は我慢できず、人目をはばからず、泣きじゃくっていました。今でもその曲を聞くと、彼のことを思い出し励まされている自分がいます。
 子どもたちは将来、保育園での歌を口ずさんだ時、どんなことを思い出すのでしょう。そのことがその子の人生に何を与えていくのでしょうか。
 子どもたちが、自分自身の存在を丸ごと承認してくれる、大いなる温かな世界を思い出すような、日々の保育でありたいと切に願っています。
                                                 

園長 西村達也